キス−キス TOPへEEEさん、生まれてはじめて目撃した、生ヤグ様。登場した瞬間のどよめき、空気がガラッと変わったかんじは、何年たっても忘れられん、といまだ申しております。覚悟しつつ、かいま見てしまった“痛み”の気配も、ふくめて。
…やがて哀しき生ヤグディン観戦
〜新横浜発・EEEさん報告〜

・・な、なんて白いの〜っ!

・・というのが、アイス・ショーで生ヤグ目撃して、まっ先に感じた感想。
まるで、象牙細工のように、色白。それも、使いこんでいわゆる“アイボリー=ぞうげ色”になったやつじゃなく、ま新しい、真白い象牙。お顔も、腕も、あんな色なのよ。まぢ、照明でハレーション起こすんじゃないかと思ったわ(笑)

ヤグ様、アイス・ショーで着てた衣装は、2日とも、黒ばっかし。
第1部『メモリアル』は、例のスケ・カナ引退セレモニーのときと同じ、ハムレットふうの黒一色に、胸元に赤い石の飾りつき、ゆったりした王子様衣装。
第2部『F1』は黒上下。上は半ソデTシャツで、ソルトレイクEX『オーバーカム』を思わせる。でも手袋はなし。Tシャツの胸元には銀色の翼もよう。黒は、金髪・色白によく映るね。オープニングとグランド・フィナーレも、この衣装。
ついでに2日めに目撃した、私服での客席観戦すがたは、生成りで前ジッパーの、もこもこセーター。ああやっぱ、いろんな画像で見かけたとおり、私服は厚着なんだ・・。プライヴェートでヤグ見かけた人に「かれはあのセーターの上に、いまでも長野世界選のときの、あのお気に入り黒革ブルゾン着てましたか?」って訊いてみたい(笑) だって、着てそうなんだもの。

ヤグは、眼にやきついたソルトレイク以降の映像より、お顔がまんまるっちくなってた。髪は金髪に染めなおしたついでに切ったらしく、短めのつんつん頭だったせいか、ぷくぷくほっぺがよけい目立ってた。
来日してから喰いまくったらしい、おすしが、すでにお肉になってるのかも(笑) 寒ブリは美味いもんね。いいのよ、もう。クワドのコンボ・ジャンプのための極端なダイエットなんか、しなくていいんだから・・。
そして、はじめて見る“生おしり”(どうも失敬〜あたしヤグのおしりって大好物だもんで・・f(^ー^;)は、そのせいか、見慣れた過去の映像より、むちむち度が増してた。でもヤグって、サーシャやプル子ちゃんに比べると骨太なせいか、カラッとした印象で、ワイセツさってないのよね〜〜。

待望の“ほんとの眼の色”は、あと一息で見えなかった。
さいごのさいご、観客席ぎわをぐるぐる滑りながら回る、お手タッチ! も、2日めすばやく最前列まで出たのに、あとちょっとで、かなわず。♪お願〜いタッチ、タッチ、ここにタッチ、あなたから〜♪ って心のなかで歌ってたんだけどなあ・・いや冗談ではなくね(^_^) また近い将来のお楽しみ、ってことかな。

ことしさいごの寒波のはずが、某局の予報官いわく“高気圧のお歳暮”、ぽかぽか陽気。「大そうじ日和です」という予報官の声に背を向け(笑)、生れてはじめての生ヤグ記念日を味わいに、いざ新横浜へ、アイス・ショー観戦へ。
夏の東伏見より、リンクの寒気がつらくなかったのは、寒さに体が慣れてたせいか。外気との温度差がこたえる夏場より、冬のフィギュアスケート観戦はつらくないこと発見。

オープニングの選手紹介・・いやあ「空気が変る」とは聞いてたけど、ホントでしたわ〜。
拍手も、どよめきも、ほかの選手のときと、ぜんぜんちがう。いきなり競技場がぐぐっと小さくなったような。空気の密度がきゅうに薄くなったような。しあわせすぎて胸苦しいほど。客席の反応も、歓声つうより、悲鳴。ヤグが出てきたっていうより、いきなりなんか凄いオーラが出てきて滑ってるぞ〜てかんじ、鳥肌立った。ヤグに本格的にハマる以前から、テレビでコンペ見てて「この子が滑りはじめると、なぜかリンクがきゅうにせまく見えるなあ」と思ったのおぼえてるけど、じっさい、そうだった。
サーシャやプル子ちゃんだって、こんなんじゃなかった(私にとっては、だけどね)。

大げさかもしれんけど、こんなすごい人とおなじ時間、おなじ時代、おなじ場所にいるんだーって大きい感激を、リンク全体で、まるごと共有してる感じ。一体感ていうのかな、ゾクゾクした。
ヤグは見とけば、孫子の代まで「生で見た」って自慢できる。ほかの選手がそうじゃないってわけじゃないけど・・なんつうかな、とにかく別格。生ける伝説。
そのむかし、初期ビートルズのステージを目撃したある人が、
 「フィーリングが空気の中にあって、手を伸ばせば触れられそう・・」
って言ってたけど、つまり、そんな感じ。生で見るダイゴミって、これなのね・・c=(^.^*)

初日・・席はジャッジ席うしろのS席。『F1』で、ポイ捨てのタバコが飛んできそうな、あの位置(笑)  ヤグ様、文句なしに元気。ハラハラするほど。なんでこれだけ動けてアマ引退せなならんの〜?! と言いたくなるほど。
引退セレモニーのときは(とくに『F1』)、れいの途中棄権のスケ・アメのときのと比べると、半分も動きの密度なく、得意のシット・スピンもかがむのつらそうで、正直、ああいうのを目撃する覚悟もしてたんだが・・。
むしろ、はりつめたようなスケ・アメの、かんぺきな『F1』より、のびのび楽しげなアイス・ショーのほうがいい。いままで見た中で最高! とすなおに思え、終ったときは思わず、ヒザ掛ゆかにずり落とし「すごい! すごーい!」と叫んでスタンディング・オベーション。
はじめて見る『メモリアル』は、ちょうどこっちに背を向けた位置から演技がはじまるので、「早くこっち向いてよ〜!」と、少しじれったかった。どんな顔してるのか、見たかった。
グランド・フィナーレ、紹介とともに、3連発も跳んだ。ちょっとノリノリで飛ばしすぎなんでは・・とヒヤヒヤ。明日は追加公演もあるのに、と心配になった(※この心配は翌日、思い過ごしじゃなかったこと判明)。
客席にヤグ・ファンのバナーが出ると、ヤグはエッジについた氷の固まりをそっちに投げつけてた。いっせいに、うわ〜いいなあ! ずる〜い! の声。でも氷の固まりじゃ、記念に持って帰るわけにもいかないでしょうね・・(笑)



2日め(午後の部)。席はアリーナ。登場ゲートの真正面なので、演技を終えたヤグがカーテンの奥にひっこんだあと、ゲート奥に置いてある椅子に腰かけるのまで見えた。
きのうの氷投げのおかげで、バナーがいきなりどっと増えてた。
オープニングが終ってすぐ、関係者席に、れいの生成りセーター姿でヤグ様、ご登場。うす暗い関係者席に、金髪に生成りセーターは、そこだけ浮き出て見えた。思わずオペラグラス向け、しげしげ見ると・・うわさどおり、たしかにプライヴェートは気むずしそう。笑顔でないと、きっと近寄りがたいよ、あの子は。
かれは浅田真央ちゃんの演技だけ、デジカメで撮ってた。好みなのかな? たしかに、きゃしゃな真央ちゃんのカルメンは、初々しくて可愛かったけど(^^)

午前中に追加公演があったせいか、『F1』はさいごのジャンプを跳ばず、いきなり客席乱入。ブレイクダンス始めたときは長野五輪EX『マック・ザ・ナイフ』思い出し、そのあとの腕立て伏せはソルトレイクEX『オーバーカム』のうつぶせ場面?・・などと思ってたら、最前列のお客さんたちの膝にドン☆とすわっちゃうし。
のせると止まらん暴走機関車、“アドリブの帝王”、面目躍如。

かと思うと、この日の『メモリアル』は、しっかり横から鑑賞。しずかな横顔。『グラ』のオープニングを、うつむいて始めるようなかんじ。デンマークのハムレット王子が、そこにいた。
(『メモリアル』は『トスカ』の発展形みたいな演技と思う。これは、いずれまた)
この日のグランド・フィナーレは、手を拡げたあいさつのみ。前日はジャンプ3連発で跳んでたのに・・。
すべて終了、お手タッチできなかったな〜、あ〜あ帰るか、と通路に向かいかけたとき、ジャッジ席側の通路から「きゃ〜!」と悲鳴が。人ごみをかきわけてヤグと数人のスケーターさんたちが、ふたたび氷上にあらわれて並び、写真撮影会の開始。最終日、最終回ならではの役得か。カメラ持ってなくて残念・・。しかも呼べど叫べど、こっちには来てくれず、しかも横からだけの鑑賞でよく見えず、つくづく無念。
とはいえ、思わぬおまけ付き。しっかり心のビデオにやきつけた。
帰り、さっきまでヤグのいた関係者席の、すぐそばを通った。さっきまで本当に、ここにヤグがいたんだ、と思うと、信じられない気分。思いっきり深呼吸して、文字どおり、おなじ空気を吸ってきた。もしかすると極薄の、有名な“ヤグ特有のいい香り”の、残り香がただよってたかも。ああ、いまだけ、わんこ並みの嗅覚が欲しい、と思った。

・・たしかに初日はヤグ様、絶好調。コンペもイケるんじゃないの、ジャッジシステムも変り、ジャンプでコケてもほかで挽回できる、とくに芸術点で稼げればかなり有利なはず。やめるの早まった? とさえ一瞬、思った。
でも2日めは、あきらかに、ジャンプをひかえてた。『F1』だけ、グランド・フィナーレだけ見比べても、判る。
たぶんやっぱり、痛いんだろう。だから、初日からあまり飛ばすなというのに・・。そうは思ってても、ノリ出すと体が勝手に動いてしまうのか、そもそもペース配分なんて考えない子なのかは、判らないが。
そう考えると、2日めのグランド・フィナーレ、すごいジャンプをした人へのヤグの「へへ〜っ!」って土下座も、ちょっとせつないものに思えてくるね・・。
でも、そこはアイス・ショー、ジャンプが無理なら、客席乱入もあり。それがショーならではのよさだろう。ヤグは本当にショーが好き、お客と一体化するのも好きなことよく判った。だからもう嘆くまい。失われた未来のことは。
プル子ちゃんとの息づまるような、しのぎ合いのコンペも、生で見たらきっと素晴しかったろう。でも、陽気で、ノリノリで、それでいて優雅に泳ぎながら、水面下で必死で水を掻く白鳥の気配の、かすかに見えたアイス・ショーも、おなじくらい素晴しかった。たぶん。
あんな強い子、いない。ヤグを好きになれたことを、ほこりに思う。絶頂期のソルトレイクや長野世界選のころより、いまこそ。

……そこでは かれが中心 かれが核
かれはそこで 生きている
昇りゆく星のように 海 そして歌う樹々のように しっかりと

時は触れた かれの やさしく かしこく 誠実な顔だちに
知ってはならないすべてのことが かれの瞳を おそれで満たす

……ごらん それでもかれは 感じやすさを失わない
運命にさからわず
あなたよりも 堂々と 生きている
『隠しごと』
 詞/ハルフダン=ラスムセン
 訳/如月小春・福井信子

(以上)
2003.12/28〜29 報告


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