もう涙はいらない・生ヤグディン観戦
〜東伏見発・EEEさん報告〜
・・なーんて、鈴木雅之の曲タイトル、いただいてますが(笑)。
ほんと、そう思った。『メモリアル』見て。
かれはもう、王子ではない。すくなくとも、悩めるハムレット王子ではない、ってね。
アイスショーで着てた衣装は、黒ばっかしという意味では、去年末のショーとおなじだった。
第1部『メモリアル』、いつもの黒一色に、胸元に赤い石の飾りつき、ゆったりした王子様衣装。
これがもぉ〜、演出が!!
この日のショーの流れでは、1人ずつ「さあ〜みなさんお待ちかね、××選手権○位、△△・☆☆さんの登場です!」って紹介アナウンスがあって、出てくることになってたわけ。
そして、1人(または1組)滑り終えてはゲート内に消え、照明がまっ暗になり、紹介アナウンスがあり、照明がついてゲートからつぎの人が滑り出る・・っていう段取り。
さて、アニシナ&ペイゼラがすべり終えてゲート内に消え、照明がおちた。
ところが、紹介アナウンスも流れず、つぎの人はスーッと静かにまっ暗なリンクに出てきて、リンクのかたすみへ行ってなにやら、ごそごそ。
ちょうど、ペイゼラがさっき、そのあたりで衣装の一部を脱ぎすててたので、
「あーあ、ペイゼラったら衣装の撤収、忘れちゃって。こっそり自分でとりに来たのかしらね〜。危ないもんね〜氷上に放っといたら」などと話して、くすくす笑ってたら・・パッと照明がつき。
同時に、耳なれた、あの音楽が流れ出し。そして、ひざまずいた、あのポーズは・・!!!
どわ〜っ! ヤグ様じゃないか〜っ!
もう、心の準備ができてないから、心臓ばくはつするかと思った〜! 場内、そういう悲鳴で、いっぱい。
やだ、もうっ! このロコツなウケ狙い、くやしいけど、まんまとのせられ、ときめくったらありゃしない。ヤグ嫌いな人は、こういうところが嫌いなんだろうけどなあ・・。
あれは、元気な、元気な『メモリアル』だったなあ。
それまで『メモリアル』は、衣装のせいか、私はハムレットのイメージで見てた。じっさい本人が、そういうテーマで演じてるかどうかは知らないが。
自分の父が、叔父に殺されたと知り、それも自分の母が叔父と浮気して共謀してたと知り、「生きるべきか、死ぬべきか」と苦悩する、若きデンマーク王子。
例のスケ・カナでの引退セレモニー、涙うるうる演技のときは、もう、そういう苦悩、いっぱいだった。もどかしさ、未練、痛み、悲哀、重荷、やりきれなさ、運命への呪詛、いろんなものを、叩きつけるように演技してた。
ヤグのそういう想いが、ちょうど、苦悩する王子ハムレットとイメージが重なって見えた。
去年末のショーでの『メモリアル』も、そういうイメージはまだ、あったように思う。
ところが、今回のショーの『メモリアル』には、そんな苦渋の気配がまったく、なかった。ヤグはひたすら、はじけまくってた。あのフィニッシュの、のけぞりつつ膝でしゅーっと氷上を滑っての決めポーズまでも、シュバッと歯切れよく。
あれがハムレットだというのなら。
「生きるか、死ぬか、それが問題だ・・なーんて、ははっ!
生きるにきまってんじゃねーかよー!
おーいオフクロ、やっちまったことは仕方ねえやな、叔父貴とうまくやれよー。2人とも、親父の亡霊に呪い殺されねーよーにな! あばよーっ!」とか、さっそうと叫んで、婚約者オフェーリアと駆け落ちでもしそう(爆)。
いや、それでいいんだよ。それでこそ、ヤグなんだよ。
あの、研ぎすました針の鋭い切っ先に立ってるような、ソルトレイクの『仮面』の王子。見てるほうも息がつまりそうな、濃密で、はりつめた緊張感。すべてを背負って、背中で必死に受けとめてるようなあの威厳を、私は愛したし、この子は本当に、王になりかけた王子だ、とも思った。
あの緊張感は、もう、ない。まだ残ってたらしい未練も、苦痛も、どうやらようやく、過去完了形になった。滑ってる本人も、見てるこっちもね。だから、去年末に感じたような、陽気さの水面下のいたいたしさを、まだどこか無理してる気配を、今回は、感じなかった。あの巨大なオーラは、いきなりリンクをぐっと狭くしてしまうような空気は、相変らずだった。でも、たしかに、なにかが去年とちがってた。
もちろん、惜しんでも、惜しみきれない気持は、いつまでも残る。だってヤグは、それだけ実力ある選手だったもの。でも滑っていられさえすれば、いい。ヤグがしあわせなら、それでいい・・ほんとに、素直に、今回はそう思えた。
でも・・だからこそ、『メモリアル』はそろそろ封印かな、という気も、した。あれは、引退セレモニーでの涙の演技の印象が、強すぎるもの。
さて、その王子ならぬヤグは、齢相応のヤンチャ坊主になりきってしまい、はじけまくり。
OPの選手紹介、ごあいさつの滑りでは、派手にコケて東側のスーパーアリーナ席につっこんでしまい、すかさず立ち上がって、観客のまん前で腰振り。あれは、まぢコケ? それとも、演出でわざとやったのか? こういう、軽くミスったあとのフォローは天才的な男なので、真相は不明☆ 暴走機関車、アドリブの帝王っぷり、健在♪
グランド・フィナーレのときなんか、リンクのどまん中で俺様してて、すっかり
「アレクセイ・ヤグディンと、かれのゆかいな仲間たち〜ズ」状態に・・。
かれのオーラは本当に、空気を共有するだけでこっちまで元気になる。“気”をもらう、っていうのかな。
「去年末に『F1』は生で見たし、そろそろ『F1』より『Ain’t that shame』が生で見たいよね〜」
などと話してたら、こういう観客の要望を、奴はなぜか、こわいほど読む。第2部は、まさしくそれ! ノースリ黒Tシャツ、胸元にでっかい銀色お手々もよう。はじけまくり、元気全開、腕立てもあり、腰だって振っちゃうぞ〜!
ちなみに去年末のショーで見た、すし喰いまくったあげく? の、まんまるほっぺにミニ毛、むちむちおしりではなく、ちょっとひきしまった輪郭に腕のラインで、よかった。前髪はつんつんに短かったけど、後ろはやや長め。この髪型で、ノースリで、去年末の体形だったら、ちょっとコメントつらかったかも・・?f(^ー^;
今回、ヤグ以外の面子もすばらしく、豪華ケンラン、眼がチカチカするほど。
ジュベールくん/これまで見てきたEXは、ひたすらきまじめ、おけいこごとの発表会みたいで「いつまでJr気分でいるんだ☆」と思ったことも、正直、あった。
でも、よくなってた、すごく。アイスショー参加で、EX的ふんいきに場慣れしてきたのかな。それとも、ヤグ兄貴のふんいきに学ぶところがあったのか。
EX的演技のなかに、あの名作SP『THE TIME』いちばんの見せ場、横歩き、横歩き♪ の、カニさんステップを入れてくれてた。あれで、ぐぐっとふんいきが盛り上がった。もしかして誰かさんが、アドバイスしたのかな・・?
そうだよ、それが生で見てみたかったんだよ!!
そうして・・とくに、この子のアクセル跳ぶすがた、いやでも長野五輪のころ、『トロイカ』時代のヤグが重なって見えて、ドキッとした。どこがどうとはいえないが、ほんと、そっくり。
なにやら、演技に余裕さえ出てきたようで。この子の毎年、めきめき伸びる変化の大きさには、びっくりしてしまう。こりゃあトリノ五輪、大本命よ。もしかして後年、語りぐさになるような伝説的な面子なのか、今回のショーは・・? ふと、そんな予感。
アニシナ&ペイゼラ/TVで見るより、ずーっとよかった!
とくに、第2部のフラメンコふう演技。いつだったか、EXで見たおぼえがある。
はじめ、アニシナがフラメンコふう衣装でトランプ片手に、フェンスに婀娜(あだ)っぽく腰かけ、はらり、はらりとカードをさばく。音楽が変わり、ペイゼラが激しいステップを踏み・・演技も、音楽も絶品、鳥肌が立つほど! 見終えた直後、「ああ、ビデオならここで巻き戻して、もう一度見るのにー!」と、まぢ思った。
オペラ・グラスごしに見た、生アニシナは、原色の南の花のようにあざやかな美女でしたわ。その美女に、目の前で男性、リフトされると、すごい迫力!
アニシナはむかし、あのロバチェワ&アベルブフのアベルブフと組んでたそうだが、
見てみたかったわ、アニシナにリフトされるアベルブフ・・(爆)
村主文枝さん/なにやら、ひと回り大きくなった。去年のあの、世界選での挫折がバネになったかな。リンク全体を、さーっと自分の色に染めかえてしまう。まるできれいな渓流のほとりに立ってる気分になる、涼しい、心地いい滑りをする。ここがいい、あそこがいい、って演技じゃない、ぜんぶがいいのね。
太田由希奈ちゃん/持ち前のしなやかさが増し、黒・白・銀の衣装もぴったり、なんだか色っぽくなってたのは、なぜ? さては、恋でもしたのかな〜(^m^)゛
安藤美姫ちゃん/第2部「Miki」って字入り水色ノースリ、白のヒカリモノ素材の短いパンツ、青いポンポン手にしたチア・ガール、ため息ものの可愛さ! へそ出しスタイルは、あのくらいウエストくびれてないとね・・☆
高橋大輔くん/『アランフェス』は新作らしいが、いいプログラムじゃあないか〜! いっときよりだいぶ落ち着いてきたようだ、がんばれー! 日本男子フィギュアの未来は、きみが背負うのだぞ!
念のため・・私は初日しか見てないので、その日に見た範囲で書いてます。あしからず。
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